MMTEC Brand Story

エンジニアリングはロマンである

プラントメンテナンス

3,000件の工事を
30日で完遂せよ!

2年に1度の大定修、その舞台裏

3,000件の工事を3日で完遂せよ!

 製錬所で2年に1度、定期の大修繕を実施する。炉を含む工場を完全に停止させる約30日間の話である。炉はもちろん、ボイラー、鉱石を混ぜる機械、金属を成形するための型、搬送用ターンテーブル、ブロアーなどなど、操業中では確認できない部分をくまなくチェックしメンテナンスする。このときに実施される工事は、大小合わせて2,000から3,000件におよぶ。同時並行的に多くの工事を実施しなければ、30数日の間で終わらせることはできない。空間、時間、そして作業人員、いずれをも最大限活用するような計画が“肝”となる。これらを実際に計画通りに、当然、無事故で納めなければならない。

 ある装置を分解してみると、予定していた範囲より大幅に修理しなければならないことが分かった。2年間、装置内の詳細を確認できないのだからそう驚くことではない。操業を停止させ、フタを開けてみて初めて分かることは必ずあるのだ。そういった“想定外”にもできるだけ対応する。

 そもそもほとんど無駄がないように組み上げられた計画で工事は進められている。そこにわずかな隙を見つけて追加となる工事を組み込んでいく。もちろん、必要な部品、人員、機材の手配も万全に。そして計画“以上”の工事を進めていく。無理をすれば、工事の質が下がったり安全の確保ができなくなったりしてしまう。そのあたりをよく見極めながら、客先、協力会社の双方と意思疎通をはかり、作業する場所、時間、人員の調整をつけてひとつひとつ課題をこなしていくのは、散らばった断片の組み合わせを探すジグソーパズルのようだ。

 そうやってうまく調整をつけながら、ひとつひとつの作業を慎重に確実に進めていく。重量物を扱うとき、車両の出入りがあるときも、安全状態を確かめるための人員を配置する。工具の取り扱いにおいてもそうだ。ナットひとつが掌大ということもある。そんなナットを締めるのは2人がかりだ。スパナを保持する人と、ハンマーをたたく人が呼吸を合わせなければならない。ハンマーは野球のバットよりも長い代物だ。少しのミスが災害につながりかねない。人の目で危険かどうかを確かめる、その連続。無災害のための特効薬のようなものはない。

 2年に1度だけ、1ヵ月も工場が停止し静かになった後の構内で、ここにいる全員の意識は冴えわたる。「ゾーンに入る」といわれる感覚だ。30日と数日間で、2,000も3,000もの工事をやり遂げる。高揚感の中、大修繕の幕が下りると再び工場が動き始める。そしてまた、2年後に向けた計画づくりが始まる。

三菱マテリアルテクノを
もっと詳しく

事業分野